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大切な貴方(アルスラーン戦記)

第2章 男の夢ではないか!



「殿とファランギース殿。どちらが、大きいと思われますか?」

ニヤニヤとしながら何を聞いてくるかと思えば…

現在、久しぶりにナルサス、ダリューン、ギーヴの3人で酒場にきていた。

「身長か?」

「…ダリューン卿。男としては、やはり見えない所が気になりませんか?」

「な"ッ!?お、おお、お主、ふ、不謹慎だ。殿は、ナルサスのお、奥方だぞ!」

「そう固い事を申されますな。ここは酒場。普段は話せぬ事を話す場ですぞ?」

ダリューン。吃り過ぎだ。

目を閉じて二人の話を、静かに聞きながら酒を口にする。

「ナルサス卿。黙っておりませんで、どうなのです?」

「何故、自分の妻の事を他人にペラペラと喋らねばならんのだ」

「そ、そうだ。そうだぞ、ナルサスの言う通りだ」

若干、色々と妄想していたであろうダリューンは、ナルサスの一言で我に返った。しかし、女好きのギーヴ。そこでは引き下がらない。

「まぁまぁ。ファランギース殿は見るからに大まかな大きさがわかりますが、殿はいつも衿をギュッと閉めておいでだ。だからこそ、気になるのです」

「ギーヴ。いい加減にしておけ。この場にファランギース殿が居られたら、後ろから刺されても文句は言えんぞ」

「全くだ。お主は、いつもどこぞの女性に刺されるのでは、とが言っておったぞ」

「仕方ありますまい。世の女性が俺を呼んでいるのです!」

ダメだ。

二人はすかさず、そう思った。

「では、これだけは教えてやる」

「おぉ!何を教えて下さるのか?」

キラキラとした目で、ナルサスに視線を送るギーヴだったが次の一言で更に妄想が膨らんでしまうのである。



「まだ、発展途上だ」



それだけ言うと机に代金を乗せ、店を出て行った。


(ちょっ!?ナルサス卿、言い逃げですか!!肝心な所は!?)
(諦めろ、ギーヴ。教える気はないと言う事だ)

(あら、ナルサス様。お早いお帰りですね?)
(無粋な奴が居たから帰ってきた)
(ふふっ、ギーヴ様ですか?大丈夫ですよ。後ろから刺されれば、わかりますわ)


アトガキ
ちゃんは、天然腹黒ってことで(笑)

 
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