第12章 寝言
『…ん』
ナルサスは、読み物をしていた。ふと、を見ると此方に顔を向け、スヤスヤと寝ている。
『…ぁん…』
そこで、寝ているにしては色っぽい声が聞こえた。
「…?」
声をかけるが、返事はない。顔を近づけるが、やはり寝ているようだ。
気のせいだったと、再び読み物に目を戻した。
だが、暫くすると…
『…ゃ…だ……ん』
ピクッ
『…そ…そこ…ゃ…』
まただ。ナルサスは流石に読み物を置き、寝床に潜り込んだ。
「(寝言か?)」
『…ふふっ…ナルサスさまぁ…』
「(私の夢を見てるのか?)」
『…ぃぃ…です』
何が良いのか、わからないが…
下の息子も何事かと、起きはじめた為、の寝間着の襟から手を入れようとした。
『…あれ?…ナルサス様?』
そこで、普段のの声が聞こえた。
「…起きたのか?」
『あぁ…あれは夢でしたのね』
「どんな夢を見ていたんだ?」
『とっても…気持ちが良うございました』
うっとりとした声で、は答えた。
その声に、さらに息子が反応したのは言うまでもない。
しかし、その後が問題だった。
『ナルサス様と湯に浸かった夢でしたの。あぁ、本当に気持ちの良い夢でございました』
「それでは」
『それでは、また眠りについて続きを視ることにいたします。おやすみなさいませ、ナルサス様』
チュッ、と頬にキスをされはナルサスに寄り添い、眠ってしまった。
(こ、この状態で明日まで、生殺しなのか?)
アトガキ
そうです。朝まで、悶々としてて下さい。