第11章 嘘のような本当の話
「聞いてよ、ファランギース」
「聞いておる」
ここは、雑貨屋の前である。アルフリード、ファランギースの二人は、珍しく非番が一緒になり出掛けている最中だ。
「どうしたら、ナルサスと一緒になれると思う?」
「一緒に、とは2つの意味があるが?」
ふふん、と鼻を鳴らしながらアルフリードは答えた。
「勿論!男と女として結婚するってことだよ」
「無理じゃな」
「えぇ!?何でぇ!?」
ファランギースのあまりの即答に、不満の声を上げた。
「ナルサス卿は、がいれば良いと言っておるのだろう?」
「まぁ…」
「なら、そこで終わっておろう」
「ちょちょちょちょっと!もう少し考えて!」
いきなりの終了宣言に、待ったをかけた。
「それに、お主に敵うのか?」
「き、気持ちなら私だって」
「そうではない。の腕っぷしの強さについて、じゃ」
「はぁ?って、そんなに強そうに見えないんだけど。おっとりしてるじゃん」
ファランギースは、はぁ…とため息を洩らしアルフリードに返事をした。
「相手の技量は、見た目で判断できん。が良い例であろうな」
「どうしてさ」
「以前、私と二人で出掛けた時の事じゃが…
後ろから来た盗人を、は軽々と投げ飛ばした。ナイフを持っていたのにじゃ」
あまりの事実に、口元がピクピクと引きつっている。
「後に、ナルサス卿とダリューン卿に聞いた話じゃが…」
「まだあるの!?」
「熊に、剣一本で勝ったそうじゃ」
(あら、アルフリード。今日は、夕飯食べて行く?)(え…い、いや、今日は用事があるから、また今度で)(?そう、気をつけてね)
アトガキ
急に、夢主が恐くなってしまった。アルフリードでした