第1章 プロローグと魔法族
この世界には魔法が存在した。
魔女や魔法使い、彼らがなぜこの世に存在するようになったかは、未だ不明である。
何百年も人間と共存をしてきた魔女や魔法使いのことを、人々は魔法族と呼んだ。
しかしこの魔法族、いま最大の危機にさらされている。
重大な後継者不足。つまり、魔法族絶滅の危機である。
それに伴い、魔法族が多く存在する地域では、彼らを隔離し、保護するといったかたちとった。
外に出ることを許されるのは19歳の春から。
魔法を使えない人間の立ち入りは原則禁止。
親との面会はあり。
様々な約束に縛られ、隔離地域で暮らす子どもたち。