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イケメン戦国◇甘い囁き◇R18

第12章 堕ちていく恋心/明智光秀◇(夢主side)其の2


「部屋で待っていろって言ったろ?」

「あらっ。いつまで待ってもお迎えに来てくれないんですもの。待ちわびてしまったわ」

「ったく……星が流れ始めたら呼びにいくつもりだったんだぞ」

「星はまだ?……くしゅんっ」

「風邪をひくだろう。今宵は特に冷え込む」

「ありがとう」



自分の羽織を姫君にかけ、微笑み合う2人を見ているだけで胸が苦しくなる。


もう、これ以上
この場にはいたくない。


幸せそうな2人を見ているなんて……



「愛香……」


不意に身体が宙に浮き、光秀に横抱きをされていた。


「顔色が悪いようだ。残念だが、今宵の星は諦めろ」

「……うん」



光秀の「諦めろ」
その言葉が違う意味で言っているようで、涙が溢れてきてしまう。

2人に悟られたくなくて、光秀の胸に顔を埋め首に腕をまわした。


お願い
早く此処から連れ出して……



「俺達はこれで失礼する。愛香の調子が悪いみたいだからな」

「愛香、大丈夫か?」


お願いだから、そんなに優しい言葉をかけないで
余計に苦しくなるの。

秀吉には愛する姫君がいるんでしょう?
だったら、私なんかに優しい言葉をかけないで

貴方が誰にでも優しいのは知っているけど
私にだけは、優しくしないで。





私を嫌いになって……



溢れでる涙は決して止まらない。
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