第50章 ピックアップ御礼作品【月夜に抱かれて】/顕如
「顕如様……お願いだから……ンッ……!あ……っ……!」
子宮の奥が熱くなり蜜が止めどもなく溢れていくのが愛香にもわかった。
頭は惚けてきて、意識しているわけではないが自分の中にいる顕如自身をもっと感じたくて、肉ヒダが絡み付いてしまう。
「っ……!愛香……」
甘美な腰の疼きに終わりが近いことを悟った顕如はそれでも終わりを迎えたくなくて眉を寄せ抗おうとしていた。
「んっ……ぁ……」
愛香もまた顕如に激しく突かれ、絶頂へと登りつめようとしていた。
あ……もうだめ……頭が惚けて体が蕩けてしまいそう
浮遊感が愛香の体を包み込み、聞こえてくるのは愛される悦びをあげる喘ぎ声と顕如の艶を含んだ吐息。
まるで世界には2人しかいないような錯覚にさえしてしまいそうになるくらいの幸福感。
月が隠れて暗闇を作ってくれるから愛し合える2人。
陽が昇ればまた敵、味方となってしまう
でも、今だけは───
体を重ね、心を重ねる事の幸せに酔いしれたい
「愛しています……貴方だけを」
【顕如】終