第29章 本気で惚れてるからこそ/豊臣秀吉(秀吉side)
*オマケ*
愛香と1つになって初めて迎える朝
いつもと同じ朝を迎えているんだが、妙に清々しい気分だ。
隣りを見ると幸せそうに微笑ながら眠っている愛香
そんな愛香の髪を梳くいあげ、口付けを落としていると
「秀吉!! 起きてるか?!」
無遠慮に襖を開け放ち、政宗がお盆を片手に入ってきた。
「朝から騒々しいぞ」
起き上がり、愛香の素肌が見えないように羽織を掛けておく。
「まあ、細かい事は気にするな!
それよりもコレを飲めよ!!」
「なんだコレ?」
湯呑みには緑色の液体
匂いがくせーぞ
「家康に煎じさせた漢方だ。コレを飲めばお前の『いんぽ』も治るはずだぜ」
「お前なあ! 嘘を愛香に言うなよ!!」
「はあ?」
「俺は『いんぽ』なんかじゃねぇよ!」
「そうですよ。政宗様、秀吉様は不能者じゃありませんから」
「ん? そうなのか?」
「当たり前ですよ。秀吉様、はいどうぞ」
三成から手渡された書物の表紙には「初めてを迎えるための心構え」と書かれている
「秀吉様は未開通の愛香様との夜伽の仕方が分からなかっただけですから」
「いや、それも違うんだけどよ」
「くっ……なーんだ、秀吉。案外、奥手だったんだな」
「違うって言ってるだろ!」
まったく、朝からうるさい奴らだ。
頼むからほっといてくれよ
*秀吉side*Fin