第16章 やめときな
テツ君が言った言葉に大ちゃんは気まずそうにする。
「あー…参ったな…。藪蛇だったか…」
「別に話せとは言いませんよ。そのうち話したくなったら話してください」
「!…ああ、わかった」
大ちゃんの表情を見て、私とさっちゃんは安心した笑みをこぼした。
「あ、いた!青峰っち、黒子っち!帰りに皆でアイス食ってかねーッスか!」
私たちの姿を発見した黄瀬がそう言いながら、こちらへ向かってきた。
後ろには真ちゃんとあっくん。
「おー、そうだな」
「桃っちと藍川っちは?」
黄瀬は大ちゃんの了承を確認し、私たちにも尋ねてくる。
「あ、私たちちょっとこの試合データとか赤司君に持ってかないといけないから…」
「藍川っちも?」
「私はそのまま征十郎と帰るの」
「ふーん」
「な、何よ…」
私の返事を聞いた黄瀬は、ニヤニヤしながら私の顔を覗き込む。
…む、まさか。