第4章 深く考えるのは止そう
今日のところは、ハーフゲームを四回ほどやったところで、終了となった。
バスケのルールを知っているとは言え、やはり、試合展開が速くなっていくとスコアは追いつかなくなっていき、あたふたしてしまったが、エリカさんがフォローをしてくれたり、コツを教えてくれたりして、どうにかやってのけることができた。
エリカさんのおかげで以前にもましてスコアは上達したし、その後の分析なんかも修ちゃんと征十郎に教えてもらって、できるようになった。
「でも、たった半日であんなにできようになるなんて凄いよ」
「エリカさんの教え方が上手なんですよ」
「だけど私はいまだに分析だけは出来ないからねぇ」
そして今は、今日でなくなってしまったドリンクなどの買い足しの最中だ。
いつもより多めにドリンクの粉末やティーパックは持ってきていたつもりだったのだが、予想以上に気温が高く、おかげで体育館内の熱気は尋常ではなく、思ったより早く今日の分が無くなってしまった。
とりあえず、明日の分としていたもので代用はしたものの、このままでは明後日の最終日までもたない。ということで、夕飯後、洗濯機を回している間に、と買い出しに出たのだ。
「華澄ちゃんはいいマネージャーになれると思うな」
お世辞だとわかっていても、エリカさんに言われてつい嬉しくなってしまう。
「エリカさんを目標に頑張ります」
「ねーねー、君可愛いね?中学生?」
「!?」
急に隣から知らない男の人に顔を覗き込まれ、一瞬体が硬直する。
おそらく、というより間違いなく私に言っているのだろう。
だが、頭の中に凶悪顔の修ちゃんの顔をイメージしながら、強気の顔をしてみる。