第3章 兎系彼氏、ラト。
家に帰ると玄関にラトが倒れていました。
「えええええラトッ?!大丈夫?!」
慌てて駆け寄るとラトはそろり、と顔を上げた。彼の私が目に入った瞬間、その顔に笑顔が浮かぶ。
「お帰りっ!今日は遅かったんだね、無事で良かったぁー!」
飛び起きてぎゅぅぅっ、と私を抱き締めるラトの背中を軽く叩く。そして、一番気になることを聞く。
「何で玄関に倒れてたの??」
「だって何時も帰ってくる時間に帰ってこなかったから、心配で玄関で待ってたの!そしたらご飯食べるの忘れちゃってて...」
てへ、と首を傾げる彼のお腹が盛大に鳴る。
「お腹空いちゃった!ご飯ご飯!」
催促する様にラトは私を抱き抱えて台所へ行く。仕方ない子だなぁ、と思いつつ冷蔵庫を空ける。...パスタでも作ってやろうかな、と考え材料を取り出す。手早くカルボナーラを作ると彼は嬉しそうに頂きます!と手を合わせた。
「おいひいぃー!!」
「飲み込んでから喋りなさいー!」
お行儀の悪い彼を注意し頬に付いたクリームをティッシュで拭う。ラトはすぐに食べ終わると私に抱き着いてきた。
「ねぇねぇ...今度から遅くなる時は電話してね?...心配、するじゃん。」
何時もの元気な声ではなく沈んだ声でそう囁かれ、悪いことをしたと思った。
「...ごめん...」
素直に謝るとラトはふにゃっと微笑んでいいよ、と許してくれた。