第3章 兎系彼氏、ラト。
「えっと、ラト...その、入る、ね...」
恥ずかしさを噛み下し体に巻き付けたタオルを握りしめながら風呂場のドアを開ける。湯煙の奥でラトが微かに微笑む気配を感じた。
「おいで?」
優しい声と暖かい空気に誘われる様にぺたぺたと入っていきラトが入っている湯船にそっと体を沈めると彼が私の手首を急に掴んだ。そのまま引き寄せられる。
「わっ...!?」
ぎゅ、と後ろから抱き締められる。心臓が壊れそうに高鳴る。別に期待をしている訳ではないから、と私は誰ともなく弁解するが...やはり、私は何処かで期待しているみたいだった。
「ひゃぁっ!!」
突然耳をかぷりと噛まれそのまま舐め上げられる。ぞくぞくとした震えがそこから広がり、お腹の下あたりがきゅぅっとむず痒くなった。ラトの白くて長い指が首筋をなぞる。
「分かってるよね、今から何をされるのか。」
「っ...!」
何時もより低い、掠れた声で囁かれ私は一瞬でラトから逃げられなくなってしまう。これからもきっと彼からは逃れられない。
──まぁ、逃げる気は更々無いけどね。
応える様に私は顔を後ろへ向け彼と唇を重ねた。