第8章 僕に快楽を教えて...月山さん。
月山さんの指がしこりを押し潰し、二本の指で挟んで軽く引っ張る。その度に僕は自分の物とは思いたくない声を上げ、体を捩った。
「っああっ、やぁっ、も、つきやまさっ...」
限界が近い事を彼に伝えようと名前を呼ぶ。取り敢えず離してもらいたい。これ以上月山さんに任せると、自分が自分で無くなってしまいそうだった。しかし、彼は僕の様子を見て唇を悪戯に吊り上げて笑った。
「イってくれたまえ、僕の手で。」
「っ...!ぁ、っ...も、でっ...っぁ!!」
ぐりっ、と強めにしこりを刺激され、僕は呆気なくイってしまった。解放感と、虚無感。そしてただひたすらの快感。ぬめりのある液体が自分の腹部に掛かり、シーツへと垂れていくのが分かった。くぽ、と指が抜かれ、空気が中へと入り込む。
「っは、ぁ、っは...」
「大丈夫かい、カネキくん?今日は此処までにしておこうか。」
ぐったりと横たわる僕を流石に心配したのか、月山さんが労る様にそう言った。冗談じゃない。何の為に此処まで来たのか。
「...僕はっ...!貴方に、抱かれる為に此処に来たんです。」
「カネキくん...」
彼は目を見開き驚いた様に此方を見ていた。変な所で優しくなる彼の事だ、きっとまだ躊躇っているだろう。それならば。
「...くださいよ、月山さん。」
僕は自分から足を開いてみせた。先程まで彼の指が入っていた所に自分の指を這わせる。挑発して、煽って。それでもダメなら自分から。そう思った。
「...来て下さい。」