第8章 僕に快楽を教えて...月山さん。
「...本当に良いのかい?」
ベッドに押し倒した僕の上に覆い被さった月山さんはネクタイをしゅるっとほどき床に落とした。スーツの上着も床へと投げる。
「はい...」
目の前で好きな人が服を脱ぐ。それはこんなに官能的な光景なのだと初めて知った。体が疼き、早く触って欲しくなる。月山さんは僕のシャツのボタンを一つ外した。軽く胸元を寛げられ、首筋に唇を寄せられた。
「...っ、ぁ...」
軽く吸い付かれ肩が跳ねる。その間にいつの間にかシャツのボタンは全て外されていた。指先で胸の先端を弄ばれ、唇で身体中をまさぐられる。僕はその快感に身を委ねながら彼の髪を掻き混ぜた。僕を求めるこの人は今は、今だけは僕だけの物だ。誰にも渡したくない。
「あぁカネキくん...君はやはり素晴らしい。」
「...美味しそうな匂いですか?」
皮肉にそう言うと月山さんはふっ、と微笑み僕の頬に口付けた。
「もちろん、芳醇な香りもさることながら...僕が触れるたびに反応する感度や、微かに漏れ出る息の色気と甘さ...かな。」
「...っ?!」
目の前で囁かれる甘い言葉は僕の理性を簡単に崩していく。体が熱くなり、下半身が疼き出すのが自分でも分かった。