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【銀魂】紅に染まった紅一点

第17章 男女の契りは誰かに言いふらすことではない 〜懲りない男〜


 
「もう、いい加減にしたら?」

「あー?」
 昏葉は隣で酒を呑んでいる男を目を細めて、呆れたように見ている。
「何杯目だと思ってるのよ。そんなにお金も持って来てないんでしょ?」
「うるへー。俺ァなー体ァ張って、頑張ってー仕事をしたんだー。だからー呑ませろー」
「はいはい、ニートが珍しく体を張って仕事したのよね。偉い偉い」
 宇宙海賊春雨と戦った銀時は浅くはない傷を負った。それは1日経った今では大分良くはなったが、酒を飲んでいいとは到底思えない。
「また傷が開いて、痛い思いをするのは自分なのよ? それでもいいの?」
「あー? 傷? そんなもん、酒ー呑んどきゃ、どーにかなる!」
「どうにもならないわよ」
 女はため息をついた。
「マスター! おかわりー!」
「もう、銀時!」
 昏葉は空のグラスを掲げた銀時の腕を下げようと掴む。
「ははは。お客様、さすがに少し呑み過ぎではありませんか?」
 バーのマスターは苦笑いをして、やんわりお酒を辞めるように勧める。
「マスター! マスターまで、俺をそんな風に見てんのか? 俺ァな、酒に強いんだぞ!」
「何を馬鹿なこと言ってんのよ。あんたのその姿を見て、誰が信じるのよ」
 回らない舌で話している男を見て、隣の女は額に手を当てる。
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