第2章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜久し振りの再会〜
新八は少し疑いの目を向けながら、中に入るように案内をする。
「えェ」
「ふーん……銀さん、お客さんが……」
「言われなくてもわかってるぜー」
「え、え!? 銀さん!? いつの間に……」
声のした方に目を向けると、銀時が部屋の扉の柱に体を預けて立っていた。
「入れよ。久し振りだな……昏葉」
女は口端を上げて笑ってから、ゆっくりと傘帽子を取った。
「本当に久し振りね、銀時。何年ぶりかしら……」
昏葉と呼ばれた女は傘帽子を取りながら、話を続ける。
「あんたと私が脱退して……どのくらい経ったかしらね? もう、忘れちゃったわ」
新八は女が傘帽子を取った姿に目を奪われていた。
(……綺麗な人……)
女は長い髪を鬱陶しげに払ってから、銀時を見据えた。
「……とにかく、生きててよかったわ……銀」
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