第14章 コスプレするなら心まで飾れ 〜潜入準備〜
「そうギャーギャーと騒ぐな」
「あんたたちのせいでしょ!? 何で私が悪いみたいになってんのよ!」
女はまた、ため息をついた。
ーー昔から悪ふざけがすぎるところがあったり、馬鹿だったりしたが……ここまで酷かっただろうか……。銀時だけでなく、桂までも……。
「とにかく、時間もない。作戦はさっき伝えた通りだ」
「ねえ、いつ作戦言ったの? 私、言われた覚えないんだけど。もしかして、さっきのふざけた設定で行くつもりなの!?」
「おう、わかった」
「どこでわかったの!? もしかして、もしかしなくてもさっきのあれで行くつもりなの!? 本気で言ってんの!? 馬鹿なの!? 馬鹿だったね!?」
2人は女の言うことを聞かずに、外へと出ようとしている。
「……嘘でしょ……。マジで行くの……」
ー攘夷戦争時代から敵のアジトに潜入するために、無茶苦茶な設定で乗り込むことは多々あったが……。
(仕方ないか……)
ーこれも慣れか……。なるようになる。
女は呆れたように笑った。そして、そのまま2人の後を追いかけた。
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