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【銀魂】紅に染まった紅一点

第8章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜交わる想い〜


 銀時は昏葉を抱えたまま、自分の部屋に入った。そして、布団の上に少し乱暴に彼女を下ろした。
「痛っ! ちょ、何す……」
「答えろよ」
 銀時は昏葉の上に覆い被さるようにして、女を押し倒した。
「え、ちょ、銀!」
「大きな声出すな。神楽に気付かれる」
「……」
 銀髪の男は真剣な目で女を見た。
「もし、俺があいつみたいになったら、お前は俺を正すために来てくれるのか?」
「……当たり前じゃない」
 呆れたように息を吐いて、昏葉は銀時をまっすぐ見据えた。
「さっきも言ったでしょ? 何であいつの時は殴りに行って、あんたの時は殴りに行かないのよ。同じ幼馴染みなのに、そんな差別みたいなことするわけないでしょ?」
 そして、ふっと柔らかく微笑んだ。

「あんたもあいつも、私にとっては何も変わらない。大切な幼馴染みよ」

「……そうか」
 銀時は安堵したように笑った。
「なら、安心した」
 それだけ言うと、男は昏葉の着物に手をかけた。
「え、銀?」
「ちょっくら溜まってんだよ……。泊める代わりの報酬な」
「な!? 銀、やめて!」
「大きな声出すなって言ってんだろ? 別に今更、減るわけでもねェ」
「そういう問題じゃないでしょ! 離して!」
 昏葉は必死に銀時の手を退けようと試みるが、女の力が男に勝てるわけもなく、頭の上で腕を掴まれてしまった。
「あの“紅”と呼ばれて恐れられていた女が……男にこんな風にされてるなんて知った日にゃァ、お前に斬られた奴らは何て言うかね?」
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