第7章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜見上げた満月〜
昏葉は銀時の言葉に甘えて、お風呂に入った。
「銀、出たよ」
鎖骨よりも少し長い程度の髪を自分のタオルで拭きながら、ソファで寝転びながらジャンプを読んでいた銀時に声をかけた。
「ん……わかった」
銀時は起き上がって、頭を掻きながら女を見上げた。
「どうだ? さっぱりしたか?」
「えェ、とても」
にこりと笑って、女は満足そうに答えた。
「そうか」
男は少し微笑んでから、立ち上がってお風呂場に向かった。
「昏葉、眠たかったら先に寝てろ。寝る時は俺の布団使え」
「え……」
昏葉はびっくりして、男を振り返った。
「俺がソファで寝る。今日1日だけのことだろ? お前が風邪引くと、うるさいのが多いんだよ」
そう言い残して、銀時はお風呂に入った。
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