第6章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜惚れた女〜
晩ご飯を食べた後、新八と別れて銀時と昏葉と神楽は2階に上がって行った。神楽はお腹がいっぱいで眠かったのか、2階に着いた途端、眠ってしまった。そんな少女を押入れまで運んでから、銀時はソファに腰を下ろした。
「……で?」
「ん?」
「何でお前がいるんだよ」
自分の向かい側に座って、優雅に煙管をくゆらせている女を睨んだ。
「いろいろあったから、宿をとり忘れちゃったの。だから、今日1日だけここに泊まらせてよ」
「バカ言ってんじゃねェよ! ここは俺の部屋か仕事部屋しか基本ないの! 押入れは神楽が寝てるし、お前が寝るところなんてねェよ!」
「大丈夫よ。ここで寝るわ」
昏葉は自分の座っているソファをポンポンと叩いた。
「お風呂だけ貸してくれたら文句も言わないし、迷惑もかけない。それじゃダメ?」
「……」
首を傾げて頼んでくる女を見ながら、銀時はため息をついた。
「……仕方ねェな。お前、先風呂入れ」
「銀は?」
「俺は後でいい。長旅で疲れてんだろ? さっさと入れよ」
耳をほじりながら言ってくる男に、少しだけ微笑んでから昏葉は立ち上がった。
「じゃァ、お先に」
「あァ、勝手にしろ」
女は自分の荷物から着替えを出して、風呂場に向かった。
「……ハァ」