第5章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜女にとっての男の存在〜
傷付いた様子の銀時が肩を落としているのもお構いなしに昏葉は続けた。
「でも……」
女は目を閉じた。ーー脳裏に浮かぶのは攘夷戦争の時の記憶。激しく交わる攘夷浪士と天人たち。何度斬られそうになったかわからない。だが、それを救ってくれたのは……。
「銀は……銀時は、私が危険な目にあった時、必ず助けに来てくれました。それに、いざという時はとっても頼りになる男です。だから……」
女は隣にいる男を見上げた。
「だから、大変じゃなかったです」
ーこんな幼馴染みでも、苦労したことはなかった。
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