第4章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜紅の花が咲く時〜
昏葉と銀時が話している間、新八と神楽は呆然とその会話を聞いていた。ーーはっきり言って、何のことを話しているのか全くわからない。
(……そもそも、あいつって誰なんだ?)
ーー銀さんたちが話している人が全くわからない……それどころか、検討すらつかない。
「……銀ちゃんとあの女、何話しているアルカ?」
新八の隣で酢昆布をかじりながら、神楽が不貞腐れた様子で言った。
「……僕にもわからないよ……」
「そもそも、あの女、誰アルカ? 私たちに自己紹介もなしアルカ?」
2人がそんな会話をしていると……。
「御用改めである! 真選組だ!」
いきなり玄関の扉が開いて、黒い服を身につけた男たちが入って来た。
「おいおい、何の騒ぎだよ。勝手に人ん家入りやがって、この税金泥棒が!」
銀時が土方に掴みかかった。
「あァん? 俺たちはお前みたいな腐れ天パに用はねェんだよ! 用があるのは……」
土方は銀時を突き飛ばして、ソファに座っている昏葉を指差した。
「そこの女だ」
「はァ?」
銀時は呆れた様子で昏葉に聞いた。
「……お前、またなんかやらかしたのか?」
「別に。特に何もしてないけど?」