第23章 親子ってのは嫌なとこばかり似るものだ 〜攘夷戦争の爪痕〜
「そんな大層なもんじゃねェよ。まあ、それでも……たくさん仲間が死んじまったがな……」
銀時は少しだけ目を伏せた。
「……」
(銀時……)
ー本当はとても大きな戦争だったし、たくさん……本当にたくさんの仲間が死んでしまった。昨日まで一緒に飯を共にした仲間が次の日にいなくなったことなんて、ザラにあった。
「敵を取ろうとは思わんのか?」
「あァ?」
「仲間のために、幕府や天人を討とうと思ったことはねェのか?」
「じいさん、あんた……」
「あ〜いかん、最後の調整があるから俺は戻るわ」
銀時が言葉を繋がるよりも先に、源外は彼の言葉を遮ってそそくさと立ち上がった。
「おい、三郎。行くぞ」
源外は神楽と新八と一緒に少し離れたところにいたカラクリに声を掛けた。
「……」
「……ねえ、銀……もしかして、あの人の息子って……」
「昏葉、変なこと言うな。大丈夫だ」
そう言って、銀時もお金を置いて席を立ち上がった。
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