第12章 手料理
「ゆっくりで良いですよ」
ご飯は慌てて食べるものじゃない。
「大丈夫、もう食べ終わるから」
一生懸命に口を動かしている。
「ご馳走様でした。
ホンマに美味しかった、ありがとぉ。花音ちゃん」
きちんと手を合わせて言う。
「お粗末様でした。
じゃあお皿洗い…」
「や、俺とヤスが洗うからええよ。
花音ちゃんは座ってて」
言い終わらない内に言われた。
「え?でも…」
「ええって。
タダで食べさせて貰てるんやし、それぐらいさせてや?」
「じゃあ…お願いします」
「「ん」」
ここは大人しく譲ろう。