第12章 手料理
冷蔵庫を開け、食材が足りるかどうか確認する。
「うん、大丈夫そう」
1人で軽く頷き食材を取り出す。
髪をまとめ、手を綺麗に洗う。
「上手く作れるといいな」
カレー作るのってなんだか久しぶりかもしれない。
「言うてくれたら手伝うでなー?」
「はい。
ありがとうございます、安田さん」
安田さんに返事を返し、手を動かす。
「ヤス、何そわそわしてるん?」
「え⁉︎や、なんも??」
「ふーん、じゃあ俺の気のせいか」
口ではそう言うものの、疑った目をしている大倉。
「なぁヤス、1つ聞いてもええ?」
「ええよー」
何気ない気持ちで頷く。
「ヤスってさ…花音ちゃんのこと…」
「す、好きとちゃうって!」
「俺なんも言うてへんけど」
「あ…」
嵌められた。
「やっぱり好きなんや」
ニヤニヤして尋ねる大倉。
「…なんなんホンマ…」
「てことは認めるんやね」
「誰にも言うたらアカンで」
「ん」