第10章 優しさに甘えて…

「まだ詳しくは決まってないです。

個人的にはギターかキーボード・ピアノ系が良いと思ってるんですけどね」


「あー、確かになぁ。

どっちがええんやろ」


「ギターはどうやろうか？

やっぱり俺らバンドやし」


「そうですね！

そう伝えておきます」


「ん。

ヤスに頼んでも大丈夫やろか？」


「流石にそれは分かんないです」


「そらそうか。

俺聞いて来るな」


「はいっ」


そう言って、錦戸さんは安田さんの元へ向かう。


「あっ、花音ちゃーん。

ちょっとええ？」


すると、安田さんに手招きされた。


「どうかしました？」


「ごめんなぁ、今亮にも話したんやけど。

そこのギターはちょっと無理かもしれへん」


「ヤス、そん時エレキギターなんやって」


「そうですか、それは仕方ないですね」


「ホンマにごめんなぁ？」


「やったら、花音がやればええやん」


横から声がした。


「どういうこと？渋やん」


声の主はすばる。