第10章 優しさに甘えて…
そして、臨時リハーサルの日になった。
リハーサル室に入ろうとすると…。
「おっはよーさん!花音ちゃん」
丸山さんに声をかけられた。
「おはようございます、丸山さん。
朝からお元気ですね」
「えー、8割ぐらいやで?こんなん。
はよ入ろうや」
「そうですね、入りましょう」
「おっはよーさん!」
元気良く中へ入って行く丸山さん。
そのあとに続いて、中へ入る。
「おう、おはよう。
来て早々で悪いんやけど、時間もあらへんしはよ準備せぇよ」
「分かってるー。
もう、せっかちやねぇ。ヒナちゃんは」
「は、はい!」
丸山さんは楽器の準備に、私は機材の準備に走る。
「じゃあ佐倉さん、これも配って貰える?」
「はい」
「あなたの分も入ってるから」
受け取ったのは、歌詞や演奏について細かく書かれた紙。
8枚分。
それを、皆さんにお配りする。