第9章 2度目の…。
「大丈夫か?」
「うん…もう大丈夫だよ」
「服自分で着れる?
俺が着せたろか?」
「大丈夫、自分で着れるよ」
手探りで、服を探す。
「ほら、これやろ?」
「ありがとう」
服を全部まとめて渡してくれる。
いつもそう、情事の最中とあとのすばるは優しい。
勿論、いつも優しいけど。
「明日仕事あるん?
声、平気?」
「仕事あるけど、別に歌わないから平気だと思う」
「そか。ならええや」
「すばる…」
「ん?」
「なんでもない」
「なんやねん、それ」
顔を見合わせて、吹き出す。
「着替え終わったなら、行こか?」
「うん。
ありがとう、待ってくれて」
「気にすんなや。
呼び出したんは俺やし」
すばると付き合った女の子は、幸せなんだろうなぁ。
こんなに優しくされて。