第6章 豪華なディナー
お店に着くまで、ずっとすばるに注意されていた。
『メンバーには、絶対手ぇ出したらアカン』と。
「お、着いたで。ここやここ」
「高そうなお店…」
「あのなぁ…」
「だって、絶対良いお店でしょ?」
「まぁ、確かにそうやろな」
全てにおいて、高級レストランみたい。
だから、高そうって思っても普通だよ。
「入るで、花音」
「あ、うん」
ズカズカと入って行ってしまうすばるの後を、慌てて追う。
そして、キチンとした格好の人とすばるは何か話した後、1つの個室へと通された。
レストランなのに、個室があるんだね。
「ちわっす」
その個室に、なんの躊躇いも無く入って行くすばる。
流石、度胸あるね。
「何してんねや?花音。
はよ入れや」
「あ、うん」
すばるに促され、遠慮がちに個室に入って行くと…。
「お、久しぶりやなぁ。花音ちゃん。
渋やんとのレッスンは、どうやったん?」
「すばるが手ぇ出してへんやろな?
大丈夫か?花音」
すぐ声をかけてくれる。