第2章 00:00 ”澤村大地”は完璧ではない。【全年齢】
きっと私が何を言ったって薄っぺらな言葉になっちゃう。
それでも大地は優しく「ありがとな。」って言ってくれるんだろうな。
『大地。』
ちゅ、、、、
どんな時だって私は大地の隣にいるよ。
辛い時だって、眠れない時だって、何も出来ないけれど、一緒にいるよ。
そんな想いを込めて唇を重ねる。
ちゅ、、、
、、、ちゅ、、、
ちゅ、、、ちゅ、、、
「、好きだよ。」
ナイショ話みたいに小さな声で大地が言う。
『わたしも。』
「もう一回キスしていい?」
『ん。』
唇を重ねるだけのキスが、少しづつ深くなる。
柔らかい舌を絡めあう溶けそうなキス。
熱い吐息は絡み合って、混ざって、どっちのものだかわからなくなるくらい。
雨の音と私と大地の息遣いだけが、やたらと生々しく脳内に鳴る。
六畳の狭い空間が夜に溶けて、まるで世界に私達だけみたいだ。
唇が離れて、大地は申し訳なさそうな顔をする。
「、、、そばにいてくれよな。これからも。」
『もちろんだよ。』
「ごめんな、なんかこんなんで。」
『私はバレー部主将の澤村大地が好きで一緒にいるんじゃないよ。だから、謝らないで。私は今までだって、これからだって、どんな時も大地のそばにいるから。』
不安も迷いも、明日になれば雨に流れてきっとまた大丈夫になるから。
そんな顔しないで?
今はただ、何も考えずに一緒に眠ろう。
end.