第25章 思い出って難しいよね (ミツバ編)
とりあえず、着ていた寝巻を脱ぎ、隊服に着替えた。
今日は休みではないのに、トシが起こしに来ない。いつもだったら、掛け布団を剥がされる・・・
『何でだろ?』
そう考えながら、廊下を歩いていると、トシとすれ違った。
『副長!?どうしたんですかその格好!?』
袴はボロボロ、頬にも傷があり、肩を押さえながら歩いていた。
土「・・・俺より先に総悟の手当をしてやれ」
『・・・喧嘩・・・ですよね?』
トシは黙ったままだ。
『いつまでも過去を引きずるのはカッコ悪いですよ?・・・副長も総悟も。・・・それに・・・』
土「・・・?」
『やっぱり、なんでもありません』
そう言って、私はその場を離れた。
これ以上言ったって意味がない。過去を引きずっている私に言われても、無意味だ。