第20章 本当に強い人は努力する (柳生編)
あれ?いつの間にか始まっちゃってるよ。水の上で戦うかぁ・・・うんうん、いいぞ。
『いっけぇ!!トシィ!』
擬餌ごと巻き込む連撃かぁ・・・これってあれだね。こ・・・
近「攻撃こそ最大の防御。ようやく奴らしくなってきやがった。」
『・・・先に言うなよ糞ゴリラ・・・』
近「ん?瑠維ちゃん、なんか言った?」
『いえいえ、なぁ~んにも言ってないですよぉ~。話を進めてくださ~い』
そうそう、剣筋がいかに読めても、喧嘩や斬り合いの中では通用しない。いかに単純な剣筋だろうとそれを上回る体術を身につければ済む話。確かにあの男の言うように、努力も必要。でも、実戦にはあまり使えない。いくら頑張ったって、血で研ぎ澄まされた己の感覚と内に秘めた魂にはかなわない。
それが、トシにあって、あの男には無いもの。
道場剣術も剣筋でも才能でもない。
実戦経験と心が一番必要。