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初 恋 ア ン ブ レ ラ

第1章   後ろの席の彼。


 「であるからして…」



お昼からの授業って
なんでこうも眠たいんやろ。

朝から降る雨のせいで、余計にね。

おまけに
苦手な数学の授業と来た。


どこまで私を眠たくさせたいの。



シパシパする目を擦っては
何度もカクンッてなる頭を戻したり、と
もう色々大変。


出そうになるあくびは口閉じて我慢。

ほんとは、今すぐにでも
机に突っ伏して寝たい。

こういう時
居眠り出来る人が
羨ましくなる。


自分で言うのもなんやけど…
根っからの真面目気質やから
寝たらあかん、と気が立っちゃうねん。








 「この公式に…」


だけど、今日は何でなのか先生の声が
睡眠へ誘う魔法の言葉になっている。

あー、もうダメ…
起きてられへんわ。


後、数センチで
くっつこうとする上瞼と下瞼。

思い切って、居眠りしてみようかな。


机に突っ伏し
意識を手放そうとした時…








 「なぁ」

トントン、と
背中をつつかれた。
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