第14章 【譲れない戦い】青学36 VS・・・?
その日、そこは重々しい空気に包まれていた。
仲間であるはずの2人が厳しい顔をして
お互いの出方を伺っている。
まさに一触即発というところだ。
周りの友人達も固唾を呑んでその様子を見守っている。
【譲れない戦い】
「ホイッ!!」
「クスッ・・・」
「まだまだ~!」
「なかなかやるね。」
ここは青春学園中等部。
人だかりの中心部では菊丸英二と不二周助が
今、真剣勝負を繰り広げていた。
「やっぱり不二くんのほうが断然有利なんじゃない?」
「そんなことないよぅ!英二はこれからなんだから!」
「2人とも頑張れ!!」
周りが見守るなか、その勝負は常に不二が優勢にすすんでいた。
しかし、菊丸も僅差を保って食らいついていた・・・
クスッ・・・さすがだね・・・英二
どんなに突き放してもあっという間に追いついてくる
こんなスリル感滅多に味わえないよ・・・
不二は嬉しかった・・・
正直、英二がここまで食らいついてくるとは思っていなかった。
菊丸は天才と呼ばれる不二に一矢を報いようと必死だった。
シュルン、シュルン・・・手首を使ってそれを回す・・・
英二・・・本気だね・・・?
今までと目つきが変わったよ・・・
「あぁ!!英二のやつが巻き返してきたぞ!!」
「いや、不二の実力はこんなものじゃない!」
「うわ!!不二のヒグマ落としが決まった!!」
「さすが天才・・・やっぱり不二を倒すなんて無理なんだ!」
「ふ・・・三種の返し球・・・白鯨・・・
さ、もう1球いこうか・・・風の止まないうちに・・・」
くっそ~、不二のやつ・・・遊んでいる・・・
やっぱり俺には不二は倒せないのか・・・
・・・いや、諦めるな!
諦めなけりゃ必ず弱点は見えてくるんだ!
チャンスはどっかにあるハズ・・・自分の力を信じよう!
「させないっ!!」
「おぉ!!英二がまた追いついた!!」
「すげー、さすが英二!」