第9章 【Can you marry me?】 丸井ブン太
私がなんでそうなるのよ、バカ!と言うと、彼はいつもの自信たっぷりの顔で、じゃ、決まりだなって笑った。
いや、だから私、OKなんて一言も言ってないし!ってそう言ったら、何言ってんだよ?と彼が続ける。
「オメーがその顔で言うバカは、昔から100パーセントOKの意味って決まってんだろぃ?」
そう言って彼はケーキの上の苺を口に咥えると、私の頭に手を回し、そのままそっと引き寄せる。
唇が触れた瞬間、私は苺を半分かじる。
今日のキスは、とても甘酸っぱいキス。
昔からこんな彼に振り回されてばかりの私だけど、こうやって沢山キスしてくれるから、ついつい彼のペースに飲みこまれ、結局すべて許してしまう。
本当に餌付けされたのは・・・はたしてどっち?
「なぁ璃音、毎日うまいもの食わせてくれよ?」
火照る頬でそっぽを向いて、私はもう一度小さくバカとつぶやいた____
【Can you marry me?】 丸井ブン太