第8章 【Can you marry me?】 不二周助
指輪に花束、夢のようなシチュエーション
大好きなあの人からの素敵な素敵なプロポーズ
女の子なら誰でも一度は憧れる
一生に一度の甘い夢____
【Can you marry me?】~不二周助~
おめでとう!お幸せに!
そんな祝福の歓声が新郎新婦にむけられる。
今日は姉さんの結婚式
弟の僕が言うのもなんだけど、花嫁衣装の姉さんはとてもきれいだ。
でも僕の視線は常に隣の女性にむけられている。
「・・・あの・・・周助?」
「なにかな?璃音」
「何度も言っているんだけど・・・そんなに見ないでくれる?」
クスッ、また怒られちゃった。
今日は朝から何度目だろう?
「ごめんごめん、璃音がキレイだから、ついね」
「だ~か~ら~、今日の主役は由美子お姉さんだってば!」
ドレスアップした彼女はとてもきれいで、ついつい見惚れてしまうから、朝から何度もコレの繰り返し。
姉さんのためのドレスに、ブーケに、フラワーシャワー、そのすべてに憧れの眼差しを向ける彼女。
そんな彼女の憧れを僕はすべて叶えてあげたい____
「璃音ちゃ~ん!」
姉さんの声がして振り返ると、空を舞ったブーケが彼女の手の中にちょうど納まる。
驚きと喜びと、そんな表情の彼女の前に僕はひざまづいて指輪を差し出す。
「僕と結婚してもらえませんか?」
「しゅ、周助!?」
僕のプロポーズに慌てる彼女。
周りの視線にいたたまれない様子。
「周助、は、恥ずかしいってば!」
なかなか返事をくれない彼女に僕はもう一度問う。
「僕と結婚して「わかった、わかったから!」
言葉をさえぎって僕の手から指輪を受け取る彼女。
周りから歓声と暖かい拍手が僕らにむけられた。