第30章 【140文字のSSのお題】②
「お前とこの朝日を見たかった」
夜通し登ったドイツの最高峰・・・
山際から溢れ出た光が、ツークシュピッツェの金の十字架を照らす。
綺麗・・・その絶景に溢れるため息・・・
無骨に差し出された小さな箱・・・
震える手で開くと、そこにはキラリと輝く指輪・・・
ポロリと涙が零れる・・・
結婚してくれないか___?
【逃がしはしない】手塚国光
※新テニスの王子様ファンブック、23.5より。
手塚くんの行きたいデートスポット、ツークシュピッツェの頂上には金の十字架があるそうです。
ふわりと唇に触れる柔らかい感触に、ゆっくりと目を開ける。
その優しい眼差しが恥ずかしくて、慌てて毛布を引き上げる。
「おはよう、ごめんね、起こしちゃった?」
大好きな人の腕の中で目覚める朝・・・
世界中の百科事典を探してみても、きっとこの気持ちを表現する言葉は見つけられないと思う___
【どんな言葉よりも】不二周助
「おはよう、小宮山さん」
「あ、不二くん、おはよ・・・キャ!」
僕が彼女に声をかけると、必ず跳んできてその身体に抱きつく英二・・・
迷惑そうにふくらませた頬を、しっかり赤く染める彼女・・・
クスクス、本当にふたりとも分かりやすいなぁ・・・
【#愛恋好心という文字を使わずに恋をしている事を表現してみる】不二周助/菊丸英二