第28章 【ミルクティー色に輝いて】白石蔵ノ介
「な、なにするん!白石くん、それセクハラやで!」
「それを言うたら、お互い様やろ?」
「うぐ・・・せやけど・・・」
そう言われると、もう何も言えなくて・・・
確かに散々白石くんの髪の毛を撫で回してしまったわけで・・・
だけど、あの超絶イケメンの白石くんが、私の髪の毛を触るだけでなく、匂いまでかいでるなんて、こんな恥ずかしいことなくて・・・
胸はバクバクと爆発してしまいそうで、顔は火が吹くんじゃないかってくらい熱くて、身体がピクリとも動かないくらい固まってしまって、もうどうしたらいいか分からなくて・・・
「小宮山さん、俺の好みのタイプって知っとる?」
そんな私に、白石くんが問いかける。
白石くんの好みのタイプ・・・?
確か、女の子たちがキャーキャー騒ぎながら話していた・・・
その時は、ふーん?なんて聞き流しちゃったけど・・・
「・・・シャンプーの香りがする子・・・?」
ドキドキしながら震える声で返事をする。
そんな私に白石くんは、せやで、そう嬉しそうに頷くと、それからさらに顔を近づけてくる。
「ほんでな、それ、小宮山さんのことやで___?」
耳に息がかかりそうな距離で囁かれたその言葉に、心臓が止まりそうになる。
恐る恐る顔を上げて見上げた白石くんの頬は、ほんのりと赤く染まっているようにみえて・・・
それは、彼が夕日に照らされているためか、それとも他の理由からか・・・
確実にわかっていることは、白石くんのミルクティー色の髪は相変わらずキラキラと輝いているってことと、
教室に入ってきた時とは全く違う気持ちで、私が彼を見上げているってこと___
【ミルクティー色に輝いて】白石蔵ノ介