第28章 【ミルクティー色に輝いて】白石蔵ノ介
「あれ?白石くん、まだおったん?」
放課後の教室、ひとり窓際の席に座る白石くんに話しかける。
おん、次の試合のオーダー決めててん、そう言って白石くんは、チラリと私の方に視線を向けると、ペラリと手元のオーダー表を持ち上げる。
「部室じゃ、うるさくて集中できひんからな・・・小宮山さんはどないしたん?、忘れもんか?」
「うん、宿題のプリント、あの先生、やってかんとうるさいやろ?」
自分の机を覗き込むと、あったあった、そう言ってうっかり忘れた宿題のプリントをカバンにしまう。
ほな、またね?、そう白石くんに手を振ると、教室から出ようとしたところで立ち止まる。
窓から差し込むオレンジの光が、窓際に座る白石くんを包み込んでいて・・・
そのミルクティー色の髪の毛を、キラキラとひかり輝かせて・・・
思わずそんな白石くんに、目を奪われて・・・
「なぁ、白石くん、髪の毛、触らしてくれへん?」
思わず、口をついた大胆なひとこと・・・
その私の突然の申し出に、白石くんがパチパチと大きく瞬きする。
どないしたん?、突然、そう戸惑うその様子に、困り顔までイケメンやな、なんて心の中で感心してしまう。
そりゃ、自分だって突然とんでもないことを言い出してるって分かってるよ?
でも、白石くんのミルクティー色の髪の毛が、放課後の教室に差し込む夕日に照らされて、たまらなくキレイなんだもん・・・
触りたい、そう思ったら、もうその欲望を抑えることが出来なくて・・・