第23章 【Specialな2人】不二裕太
そうやって頑としてカミングアウトを拒んでいた裕太だったけど、私のしつこい「教えて教えて光線」に、とうとう観念したらしく、今までで1番の真っ赤な顔で呟いた。
「たくっ、一度しか言わねーからしっかり聞いとけよな・・・璃音、お前が大好きだ。」
ね、裕太、私たち、お互い素直になれなくて、相当な意地っ張りだよね。
でもさ、似たもの同士でお似合いだと思わない・・・?
「えへへ~、もう一回!」
「な、一度しか言わないって言っただろっ!、それより次はお前の番だぞ、まだお前も言ってねーだろ?」
「・・・さーて、そろそろ帰りますか~!」
「って、おいっ!」
ずりーよな、そう膨れる彼の手をとって歩き出す。
その手首には私が投げつけたプレゼントのリストバンドがされていて、初めて繋いだ大きな手はとても温かくて、また嬉しくて泣きそうになる。
「ね、裕太。」
「ん?」
「お誕生日おめでとう。」
「おー、サンキュ。」
裕太、来年の誕生日も再来年の誕生日もその次も・・・
ずっとずっと・・・ずっと一緒にお祝いしてあげる。
だからね、裕太、ずっと私の傍にいてね?
絶対、離れないでいてね?
裕太は私の「特別」なんだから____
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