第23章 【Specialな2人】不二裕太
「小宮山、あのよ・・・今度の18日・・・駅前に新しく出来たケーキ屋に付き合ってくれねぇか?」
部活が終わって帰宅すると、先輩方と先に帰ったはずの彼が何故か私の家の前にいて、真っ赤な顔して言った台詞がコレ。
「18日って裕太の誕生日じゃない。何?、裕太、誕生日に私とデートしたいの?」
「バッ、バカ言ってんじゃねーよ!、オープン記念のケーキバイキング半額が18日までなんだよっ!」
「ふーん・・・で?」
「で?って・・・その・・・先輩方と行くと色々うるさいし、いくらなんでも1人で行くのは恥ずかしいだろ?、だからその・・つまり・・・仕方なくだよ!」
へー・・・仕方なく、ね?
誕生日にデートのお誘い・・・
ちょっと期待しちゃったんだけどな・・・?
【友達以上、恋人未満】
そんな関係から一歩ふみだるのかな?
なーんて・・・
「そっかー、じゃ、誕生日にデートする相手もいない、可哀想な可哀想な裕太くんに、仕方がないから付き合ってあげますかー。」
「なんだよ!、お前だって彼氏とかいねぇだろ!?」
「はいはい、18日が楽しみだわー。」
まだ文句を言いたそうな裕太の横を通り抜けると、適当に手を振り家に入る。
部屋に入るとバッグを机の上に放り投げ、着替えもせずに制服のままベッドにダイブする。