第22章 【神様からの贈り物】千石清純
「だめだよ、璃音は俺の前を歩かなきゃ。」
「はぁ〜、何?、キヨ、私のパンツ、見ようっての!?」
そりゃ、男だから見れるもんなら見たいけど、決してそれだけじゃないんだよね。
「だって、万が一璃音が転んだら、他の男に璃音のパンツを見せることになるじゃないか。」
大切で可愛い幼馴染みのパンツ、他の男になんか見せたくないよ、なんて言いながら彼女の両肩に手を添えて、俺の前へと誘導すると、璃音は顔を真っ赤にさせて、ポケットから取り出した小さな包みを俺の胸に押し付けた。
「そ、その大切で可愛い幼馴染からの誕生日プレゼント、今年もあげるから有り難く思いなさいよね!」
それから彼女は照れた顔を隠すようにまたマフラーをグイッと上げると、プイッとそっぽを向いて俺の前を歩き出す。
憎まれ口を叩きながらも今年もちゃんとくれたプレゼント。
ますます締まりのない顔で、照れくさそうなその背中に着いて行く。
今はただの幼馴染み、だけど本当は、お互いそれ以上の感情があるのは明らかで・・・
「キャッ!」
あ、オレンジのチェック、ラッキ〜♪
キヨのバカー!そう真っ赤な顔でポカポカ拳を振り上げる彼女に、俺のせいじゃないよ〜!なんて言い返しながら、学校までの道のりを一緒に歩く。
素直じゃなくてぶっきらぼうで、だけど女の子大好きなどうしようもない俺なんかの側にいつもいてくれる。
そんな大切で可愛い幼馴染みの存在こそが、
本当の、
神様からの贈り物____
【神様からの贈り物】千石清純