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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第10章 眷属達の想い








「私は貴方の頭脳を過小評価し過ぎていました。
この状況を一瞬で理解し、私達がナナシ様の縁者と見抜くとは
大したものです。流石ナナシ様が行動を共にしていた方ですね」


ふふっと微笑うジャックは心底楽しいと言った様子だったが、
答えをはぐらかされたエルヴィンの苛立ちは募る。


リヴァイ達もナナシの縁者と知るや否や、
警戒を更に引き上げた。

戦闘になった場合、丸腰同然の自分達は果たして彼らに
勝てるだろうか?

ツクモに手も足も出なかった事を考えると、
刺し違える覚悟で臨まなければならない相手だろう。


「ちょっと~、ジャックさん。物騒なことは絶対しないで下さいよ~!
ボク、戦うの苦手なんですから・・・」


イサザが情けない声を上げながらそう訴えたので、
戦いが苦手な彼を人質に取って情報を引き出す手も考えたが、
エルヴィン達の考えを見越したようにジェリーが
馬鹿にしたように言った。


「もしも、てめぇがそこの連中に殺されそうになっても助けねぇからな。
自分の身は自分で守れよ、イサザ」

「えぇぇぇ!?ジェリーさん、冷たい!!」

「落ち着いて下さい、二人共。私はスミス様達と
戦闘する気はありませんよ。あぁ、もう一人の紹介がまだでしたね。
貴方様から左側にいるのが・・・不本意ながら私の双子の兄の
『ジェリー』です」



性格は真反対のようだが双子の兄と聞いて、
ジャックとジェリーの顔が瓜二つである事に納得する。


だが、今はそんな自己紹介はどうでも良い。


痺れを切らしたリヴァイが苛立たしげに舌打ちをして、
話を促した。




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