過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第10章 眷属達の想い
――――エルヴィンがナナシを見つける数日前・・・・
エルヴィン、リヴァイ、ミケ、ハンジ、ナナバなどの幹部は、
調査兵団の後援者である貴族のパーティに出席していた。
ナナシを失っていても、
エルヴィンは鉄の外面で貴族達に笑顔を振り撒き、
上手いこと支援を続けて貰えるよう約束を取り付けた。
宴もたけなわとなりエルヴィン達がそろそろ帰ろうかと考えた頃、
執事のような初老の使用人に声を掛けられた。
「エルヴィン・スミス様でございますね。
奥の間で調査兵団の方々とお話したいと仰る方がおられるのですが、
お時間を頂けませんでしょうか?」
一体誰が自分達と何の話をしたいというのだろうか?と
エルヴィンは心の中で眉を寄せたが、ここで断る訳にもいかず、
自分達と会いたいと言っている人物と会うことにした。
最初エルヴィンだけ行こうとしたが、執事が
「皆様もご一緒に」と言ったので、仕方なく
リヴァイ、ミケ、ハンジ、ナナバを同行させることにする。
人類最強であるリヴァイを見たいと言う貴族は多いし、
屈強な女性兵士を間近で見てみたいという下衆も中には存在する。
同行させた四人は少し不満そうな顔をしていたが、
これも調査兵団存続の為だと視線だけで命令し、
奥の部屋へ向かった。