過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第9章 逢いたい
「俺はまだエルヴィンがやった事を許してねぇ。
だが、あいつが自分の身体を傷めつけるような真似をしている事に関しては
思う所がある。・・・おまえがいない間、あいつは昔に戻ったように
人と壁を作りやがった。それこそ、馴染みのミケやハンジとも
距離を・・・いや、あれは他人が見えていなかったのかもしれねぇ。
兎に角おまえを探し出す事だけを考えていた感じだった。
あいつが巨人以外でああなるのはおまえの事だけだからな。
それを間近で見ていた俺達にとっちゃ、おまえのその優しさが
救いなんだ。礼を言う・・・」
「・・・・なぁ、リヴァイ。どうやって私を探し出したんだ?
私は未だにそれがわからない」
あの夜会にナナシがいると確信していなければ、
金髪の鬘をしていたナナシを見つけ出すことは出来なかっただろう。
ナナシは変装や女装にちょっとだけ自信がある。
それなのにあっさりエルヴィンに見破られた事が
腑に落ちないでいた。
リヴァイは「何だ、聞いてないのか」と言った後、
何故ナナシを見つけ出すことが出来たか話してくれた。