過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第8章 何故、そんな事を?
廊下にいる三人にも声を掛け部屋へ招き入れると、
エルヴィンは四人にナナシの事を託し地下牢へ向かった。
心配になって着いて来たリヴァイが
「こんな所にどんな用事があんだ?」と尋ねると、
エルヴィンは一つの牢に入り上着を脱ぎ捨てながら答える。
「今日から暫く私はここで生活をする。鍵も掛けてくれ」
「あ?何言ってやがる、てめぇ・・・」
「ケジメだよ。ナナシを強姦したという・・・ね。
・・・それに私が近くにいてはナナシも安心して
怪我を治せないだろう。だから、私は暫くここで暮らす。
書類は全部ここに持ってきてくれ。あとついでに食事も。
食堂に行ったりしたら、ナナシがまた部屋に
籠もってしまうかもしれないからね。彼にはなるべく早く
リハビリをさせて調査兵団に慣れさせたい」
また一からやり直しだよ、リヴァイ。
そう語るエルヴィンはとても悲しげな表情をしていて、
リヴァイは眉間に皺を寄せた。
「何で、てめぇはいつも一人で・・・・」
「それが私の役目だからさ」
「・・・・・・・・・・了解だ、エルヴィン。
おまえの判断を信じよう」
リヴァイはそう言うと牢屋に鍵を掛け、地下室を去った。