過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第4章 再び地下街へ
「良いか、小僧共。人間の中で生きていくには
同じ人間である必要があるのじゃ。化物は粛清されるが運命。
ソロモン団長はその見せしめであった。『代行』はずっと
儂らを化物に変えてしまった事に罪悪感を覚えていたようだったが、
逆なんじゃよ」
「・・・逆?」
「儂らが団長や代行に『化物になっても良いから力が欲しい』と
望んだ結果だったのだ。それを叶えてくれた二人に
恩義はあるが恨みなど無い。特に代行は団長の死後、
儂らが生きて暮らせるように地下街まで連れて来てくれたり、
身元が割れておらぬ者は地上で生活を・・・」
「ちょっと待って下さい!」
エルヴィンはクレイグの言葉を遮った。
ナナシは『代行』は死んだと言っていたはずなのに、
クレイグは団長の死後も『代行』は生きていたと発言したのだ。
これはきちんと確認しておかなければならない。
「すみません。その・・・代行はいつお亡くなりに・・・?」
「恐らくまだ生きておるじゃろうて・・・。
今何処にいるかはわからんがな」
―――生きているっ!?
エルヴィンが抱える『迅鬼狼』に関する謎を解明出来る人物が
生きているだと・・・っ!?
クレイグの言葉にエルヴィンは歓喜に震えた。
何としても探し出さねば・・・・だが、その前に。