過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第36章 ナナシの遺したもの
―――だが
後半が明らかにおかしいっ!!
果たしてこれは遺書なのかっ!?
「ちょっと出かけてくるけど、あとはよろしく~」という
ただの書き置きのようだ。
リヴァイとミケは、ナナシを看取ったというエルヴィンを
胡乱げに見た。
エルヴィンは顔面を蒼白にさせながら
「何故ナナシに下着を盗った事がバレたんだ?」と
ブツブツ何やら呟いている。
いやいや、おまえが気にするとこはそこかっ!?
つーか、本当に盗ったんだな・・・。
じゃあ、フルボッコされても仕方無いよな。
エルヴィンから大事な事を隠されていると本能的に悟った四人は
ジリジリと彼ににじり寄った。
「どういう事だ?ナナシは本当に死んだのか?」
「答えろエルヴィン」
ボキボキと拳を鳴らし始めたリヴァイとミケに、
エルヴィンは冷静に返す。
「それを言おうとしたら、ハンジが掴み掛かってきた」
「あーそりゃごめん。で?本当のとこはどうなの?」
ハンジが半目でエルヴィンを睨んだ。