過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第33章 ナナシの想い
・・・何だ?
いつもツンツンしているナナシがデレると、
こんなに破壊力があるのか。
俺を喜ばせるのに長けた恐ろしい小悪魔・・・
いや、今は天使だ。
エルヴィンは額に汗を滲ませながらゴクリと喉を鳴らす。
思えば合意によるナナシとのセックスは初めてだ。
前は弱っている所を無理矢理強姦してしまったので、
ナナシを傷つけてしまったが、今回は違う。
今回はナナシから誘ってくれたのだ。
しかも、今はいつも放っている『触ってくるなオーラ』とは真逆の
『エルヴィン好きにして良いよオーラ』が激しくエルヴィンに
ぶつかってきている。
これで期待するなという方が無理だ。
だが、いつも期待を裏切られ続けているエルヴィンとしては
最終確認を行うべきだと判断し、もう一度尋ねる。
「本当に良いんだね?俺は君を抱くんだ。それは理解しているな?」
ナナシは一瞬キョトンとしたが、はにかむとコクリと無言で首肯した。
その可愛さにまたエルヴィンの息子が育ったのは言うまでもない。