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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第33章 ナナシの想い













「ナナシ・・・キス・・・しても良いかい?」

「・・・・・」



緊張気味に許可を取ると、ナナシは何も言わず
キスしやすいように顔を上げ目を閉じた。

頬を赤く染めながらキスを求めてくる姿にエルヴィンは
今すぐ押し倒したくなったが、がっつくだけの男と思われるのも
癪だった為、理性を総動員させチュッと啄むようなキスを落とす。

この判断をしたのは壁外調査時にリヴァイに寝取られた(?)際、
ナナシは「リヴァイの理性は人類最強だった」と褒めていた事にも
起因する。


エルヴィンが優しく何度もキスをすると、
ナナシは擽ったそうに・・・それでも幸せそうな表情で
それらを受け止めるものだから、エルヴィンの心もホッコリ温かくなった。

やがて、舌を口内に忍ばせて徐々に激しいキスに変わっていっても、
ナナシは黙ってそれを受け入れ続けた。


二人の息が上がり始め、ナナシの身体がクタリと力を無くした時、
エルヴィンはもう一度彼に許可申請を行う。



「ナナシ・・・君を抱いても・・・?」



流石にここまで来たら断られないだろうというエルヴィンの考えは、
ナナシが首を横に振った事によって無残に砕け散った。

呆然とするエルヴィンに対し、ナナシは力を無くした手で
トンとエルヴィンの胸を押し「離せ」という合図を送る。


「・・・何故だ?ここまで受け入れておいて、何故今更拒絶する?
そんなに俺の事が嫌いなのか?」



明らかに傷ついた表情をしているエルヴィンに
ナナシは罰が悪そうにボソボソと口を開いた。






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