過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第4章 再び地下街へ
「てめぇは団長の仕事に専念していろ。
クレイグの爺さんがまだ生きてるかもわからないってのに、
無駄足を踏むことはねぇ」
「でもリヴァイ・・・、貴方だって地下街を離れて随分経つのに大丈夫?」
ハンジが心配そうに言って来たが、
リヴァイは鼻で笑うように言ってやった。
「地下街自体は何の問題もねぇよ。昔みたいなねぐらが
無くなっただけの話だ。むしろ、問題なのは
クレイグの爺さんの方だな」
「どういう意味?」
「もしも昔みてぇにピンピンしていたら、
梃子摺るって話だ。あいつは相当の手練れで、
油断すればこっちがやられちまう」
何時になく相手の力量を過大評価するリヴァイに、
エルヴィンは「まさか・・・」と思う。
ナナシと懇意にしている手練れの老人となれば
『狼』の生き残りかもしれない。
これは何としてもその人物に会いに行かねば!と思い、
得意のゴリ押しでスケジュールを二日空けると、
書類をハンジに任せてリヴァイとミケを伴い、
エルヴィンは地下街へ向かった。